前回に引き続き、給湯器の選び方について解説していきます。
2.給湯器の選び方

給湯器の種類が決まったら、次に具体的な製品を選ぶためのポイントを見ていきましょう。
2-1.メーカーで選ぶ
給湯器メーカーはいくつかありますが、主要なメーカーとその特徴を把握しておくと選びやすくなります。
- リンナイ、ノーリツ: ガス給湯器の二大メーカーとして有名で、高いシェアを誇ります。幅広いラインナップと豊富な機能を持ち、信頼性が高いのが特徴です。エコジョーズなどの高効率給湯器も充実しています。
- パナソニック、ダイキン、三菱電機、コロナ: エコキュートの主要メーカーです。それぞれのメーカーが独自の技術や省エネ機能を搭載しており、タンクの容量やヒートポンプユニットの性能に特色があります。
- 東芝、日立: 電気温水器の主要メーカーです。シンプルで耐久性の高い製品が多く、設置環境や予算に合わせて選べます。
メーカー選びは、信頼性、製品ラインナップ、アフターサービスなどを考慮して行いましょう。
2-2.省エネ性で選ぶ
長期的なランニングコストを抑えたいなら、省エネ性の高い給湯器を選ぶことが重要です。
- エコジョーズ(ガス給湯器): 従来のガス給湯器よりも約15%ガス消費量を削減できると言われています。本体価格は高めですが、年間のガス代節約効果で数年で元が取れる場合もあります。
- エコキュート(電気給湯器): 大気熱を利用するため、一般的な電気温水器よりも大幅に電気代を削減できます。日中の電力使用量を抑え、深夜の安い電気を使うことで、さらに節約効果が高まります。
給湯器の省エネ性は、製品に記載されている「年間給湯保温効率」や「年間給湯効率」の数値で比較できます。数値が高いほど省エネ性能が優れています。
2-3.設置タイプで選ぶ
給湯器には、主に以下の設置タイプがあります。ご自宅の設置スペースや構造に合わせて選びましょう。
- 屋外壁掛型: 住宅の外壁に設置する最も一般的なタイプです。設置スペースが少なく、狭い場所でも導入しやすいのが特徴です。
- 屋外据置型: 屋外の地面やブロックの上に設置するタイプです。設置が比較的容易で、大型の給湯器やエコキュートのタンクなどで見られます。
- 屋内設置型: 住宅の室内に設置するタイプです。排気筒の設置が必要で、換気にも配慮が必要です。
- 浴室隣接設置型: 浴槽の隣に設置するタイプです。配管が短く、追い焚き効率が良いのが特徴です。
交換の場合は、既存の給湯器と同じ設置タイプを選ぶのが一般的ですが、リフォームを機に設置場所を変更することも可能です。
2-4.号数を決める
給湯器の「号数」とは、水温から25℃上昇させたお湯を1分間にどれだけ出せるかを示す数値です。号数が大きいほど、一度に大量のお湯を供給できます。家族構成やライフスタイルに合わせて選びましょう。
- 16号: 一人暮らし~二人暮らしで、同時にお湯を使うことが少ない場合。シャワーと台所を同時に使うと、湯量が不足する可能性があります。
- 20号: 二人暮らし~三人暮らしで、シャワーと台所を同時に使うことがある場合。一般的な家庭で広く選ばれています。
- 24号: 三人暮らし~五人暮らしで、シャワーと台所を頻繁に同時に使う場合や、お風呂の湯張りもスムーズに行いたい場合。家族の人数が多いほど24号がおすすめです。
冬場は水温が低くなるため、同じ号数でも夏場より供給できるお湯の量が少なくなります。迷ったら、少し大きめの号数を選んでおくと安心です。
3.まとめ

給湯器は、日々の快適な暮らしを支える大切な設備です。種類ごとの特徴、メーカー、省エネ性、設置タイプ、そして号数を考慮して選ぶことで、ご自身のライフスタイルに最適な一台を見つけることができます。
「どの給湯器が良いか分からない」「費用が心配」と感じたら、まずは給湯器の専門業者に相談し、ご自宅の状況に合わせた最適なプランや見積もりを依頼することをおすすめします。賢い給湯器選びで、安心で快適な毎日を手に入れましょう。