海外の映画やドラマで見るような、おしゃれで雰囲気のある住まい。そんな輸入住宅の魅力は、美しいデザインや間取りだけではありません。空間の印象を大きく左右する「照明」にこそ、その真髄が隠されています。
日本の住宅は部屋全体を明るくすることが一般的ですが、海外では複数の照明を組み合わせて、光と影が織りなす心地よい空間を創り出します。
本記事では、私たちOcean Studioが培ってきたノウハウをもとに、輸入住宅の魅力を最大限に引き出す照明の考え方と、具体的な選び方について詳しく解説します。これから輸入住宅を建てられる方、照明計画にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
1.海外の照明の考え方

日本の照明計画で主流なのは、天井の中央に設置したシーリングライト一つで部屋全体を均一に明るくする「一室一灯」という考え方です。これは部屋の隅々まで明るく、作業がしやすいというメリットがあります。
一方、欧米の住宅で多く見られるのが「多灯分散」という考え方です。これは、一つの強い光で全体を照らすのではなく、複数の照明を適材適所に配置し、必要な場所だけを照らす手法です。
例えば、天井からの柔らかな光で空間のベースを作るダウンライト、壁面の絵画や質感を美しく浮かび上がらせるウォールウォッシャー、部屋のコーナーに置いて落ち着いた雰囲気を演出するフロアスタンド、夜間の安全な移動をサポートするフットライトなど、多彩な照明を組み合わせます。
このように、あかりの欲しい部分だけを効果的に照らすことで、空間に立体感と陰影が生まれます。煌々と明るいだけの空間ではなく、光と影が織りなすコントラストが、リラックスできる上質な雰囲気を作り出すのです。これこそが、輸入住宅における照明計画の基本であり、最大の魅力と言えるでしょう。
2.輸入住宅でおすすめの照明
それでは、具体的にどのような照明が輸入住宅の雰囲気を高めてくれるのでしょうか。ここでは、Ocean Studioがおすすめする照明の種類と、その効果的な使い方をご紹介します。
2-1. 間接照明

間接照明は、光源の光を直接当てるのではなく、壁や天井に反射させてその柔らかな光で空間を照らす手法です。光が直接目に入らないため、眩しさがなく、リラックス効果が高いのが特徴です。リビングの折り上げ天井に仕込んだり、テレビボードの背後やベッドのヘッドボード裏に設置したりすることで、ホテルライクで落ち着きのある空間を演出できます。輸入住宅のゆったりとした雰囲気に、深みと安らぎを与えてくれるでしょう。
2-2. スポットライト
特定の場所をピンポイントで照らすスポットライトは、空間にメリハリをつけるのに最適な照明です。お気に入りのアートや写真、飾っているオブジェなどを照らすことで、そこをアイキャッチ(視線を集める場所)にすることができます。また、壁面に光を当てるだけでも、空間に奥行きが感じられるようになります。ライティングレールを使えば、後から位置や数を変更することも容易なため、模様替えに合わせて照明計画を楽しめるのも魅力です。
2-3. ブラケットライト
壁面に取り付けるブラケットライトは、補助的なあかりとしてだけでなく、インテリアのアクセントとしても大きな役割を果たします。アイアン製や真鍮製、ガラスシェードなど、デザインが非常に豊富で、輸入住宅のクラシカルな雰囲気やカントリー調のインテリアによく馴染みます。玄関ホールや廊下、階段の壁面を優しく照らしたり、洗面スペースのミラーサイドに設置したりすることで、空間の質感をぐっと高めてくれます。
2-4. フロアスタンドライト
コンセントがあればどこにでも設置できるフロアスタンドライトは、手軽に「多灯分散」を取り入れられる便利なアイテムです。ソファの横に置いて読書灯として使ったり、部屋のコーナーに置いて陰影を演出したりと、使い方は自由自在。柔らかな光が低い位置から広がることで、空間に落ち着きと温かみが生まれます。デザイン性の高いものを選べば、昼間はオブジェとしてインテリアのアクセントにもなります。
2-5. シャンデリア
シャンデリアは、輸入住宅の象徴ともいえる照明器具です。その華やかでエレガントな存在感は、リビングやダイニング、吹き抜けといった家の中心となる空間を、一気に特別な場所へと変えてくれます。クリスタルが輝く豪華なものから、アイアンを使った素朴で味わい深いものまでデザインは様々。設置する部屋の広さや天井の高さに合わせたサイズ選びが、圧迫感なく美しく見せるための重要なポイントです。
2-6. ペンダントライト
天井から吊り下げるタイプのペンダントライトは、ダイニングテーブルの上やキッチンカウンターで特に活躍します。食事を美味しく見せる効果があるだけでなく、空間のフォーカルポイントとなり、インテリアの完成度を高めてくれます。デザインや素材、コードの長さによって印象が大きく変わるため、インテリアのテイストに合わせて選ぶ楽しみがあります。同じデザインのものを複数並べて吊るすと、リズミカルで洗練された雰囲気を演出できます。
2-7. シーリングライト
部屋全体を明るくするシーリングライトは、日本の住宅では一般的ですが、輸入住宅に合わないというわけではありません。ただし、選ぶ際にはデザイン性が重要になります。例えば、木やアイアンのフレームを持つものや、ファブリックシェードの付いた柔らかな印象のものなど、インテリアのテイストに調和するデザインを選びましょう。他の照明と組み合わせることを前提に、あくまで空間全体の明るさを補う補助的な役割として、調光機能付きのものを選ぶのがおすすめです。
3.まとめ
輸入住宅の魅力を最大限に引き出すためには、日本の「一室一灯」の考え方から一歩踏み出し、海外の「多灯分散」の考え方を取り入れることが重要です。
一つの照明で全てを照らすのではなく、間接照明やブラケットライト、フロアスタンドなどを効果的に組み合わせることで、空間に陰影と奥行きが生まれます。それによって、日中は太陽の光が、夜は照明のあかりが、それぞれ異なる表情を見せてくれる、豊かで心地よい住まいが実現するのです。
私たちOcean Studioでは、お客様の理想のライフスタイルやインテリアのテイストを丁寧にお伺いし、建物だけでなく、空間を彩る照明計画までトータルでご提案いたします。輸入住宅の照明について、「どう選べばいいかわからない」「もっとおしゃれな空間にしたい」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。専門知識と豊富な経験で、あなただけの特別な空間づくりをお手伝いします。